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高齢者・障害者を含むすべての人の使い勝手の良さに配慮したアクセシビリティの規格『JIS X 8341-3:2016』とは?

Webの技術進化やスマートフォン・タブレットの普及により、昨今のユーザーはさまざまな場面・デバイスでWebサイトを閲覧しています。特に日本では高齢化社会が進んでいることもあり、今後のサイト利用者の割合は、高齢者層が増えていくことが予想されます。もちろん、高齢者だけでなく障害を持った人でも使いやすいWebサイトづくりを心がけることは必要不可欠なことだと言えるでしょう。

今回は、Webサイトの情報・サービスへのアクセスのしやすさを示すアクセシビリティの中でも、高齢者・障害者を含むすべての人にとっての使い勝手の良さに配慮した規格である『JIS X 8341-3:2016』について見ていきましょう。

そもそも『JIS』とは?

JISは、日本での工業標準化の促進を目的とする『工業標準化法(昭和24年)』に基づいて制定される国家規格。正式名称は『日本工業規格』で、Japanese Industrial Standardsの頭文字から「JIS」と呼ばれています。

『JIS X 8341-3』とは?

『JIS X 8341-3:2016』の正式名称は、『高齢者・障害者等配慮設計指針-情報通信における機器、ソフトウェア及びサービス-第3部:ウェブコンテンツ』。
年齢や身体の機能・閲覧環境の違いに関係なく、Webで提供される情報やサービスを利用してもらえるよう制定された規格です。高齢者・障害者を含む誰もがWebサイトなどを利用できるよう配慮するためのアクセシビリティの規格と言えます。

インターネットの国際標準化機構であるW3C(World Wide Web Consortium)のWAI(Web Accessibility Initiative)によって公開されている『WCAG(Web Content Accessibility Guidelines)2.0』がISO/IECの国際規格になったことを受け、2016年3月に『JIS X 8341-3:2016』へと改正されました。

アクセシビリティに配慮すべきWebコンテンツとは?

『JIS X 8341-3:2016』では、アクセシビリティに配慮すべき「Webコンテンツ」として、次のものを挙げています。

  • Webサイト
  • Webアプリケーション
  • Webシステム
  • 携帯端末などを用いて利用されるコンテンツ
  • イントラネットの業務用システム
  • 電子マニュアル
  • CD-ROM などの記録媒体を介して配布される電子文書

このように、『JIS X 8341-3:2016』では、Webブラウザや支援技術などを介して提供されるあらゆるコンテンツのことを「Webコンテンツ」の対象としています。

アクセシビリティへの配慮について

高齢者・障害者をはじめ、すべての人にとっての使い勝手の良さに配慮したアクセシビリティについて考える場合、どのようなポイントに配慮すべきなのでしょうか?

たとえば、肢体に障害を持つ人はマウスの操作ができなかったり、しにくかったりすることが予想されます。スクロールや小さい選択範囲のクリックには不便さを感じてしまうことでしょう。

また、目が見えない人はマウス操作が困難なため、情報収集時には、音声での読み上げや点字などに頼らざるを得ません。また、特定の色が分からない・分かりにくい人や、音が聞こえない・聞こえにくい人もいるはずです。

高齢になると白内障や緑内障など、目の病気を患ってしまうことも多くなりますし、さまざまな病気が原因で肢体が不自由になってしまうこともあるでしょう。
高齢者・障害者の人たちはもちろんのこと、老若男女問わず誰がどんな状況でWebサイトを利用しても、不便さを感じることなくWebサイトの情報にアクセスしてもらえるよう配慮するのが、『JIS X 8341-3:2016』におけるアクセシビリティのポイントです。

『JIS X 8341-3:2016』の達成基準とは?

『JIS X 8341-3:2016』の達成基準は3段階。Webコンテンツが満たすべきアクセシビリティの品質基準として、レベルA・レベルAA・レベルAAAという3つの達成基準が定められています。

「非テキストコンテンツの達成基準」「音声だけ及び映像だけ(収録済み)の達成基準」などの適合レベルAから、「手話(収録済み)の達成基準」「拡張音声解説(収録済み)の達成基準」などの適合レベルAAAまで、目標とする達成レベルに合わせてさまざまな基準をクリアする必要があります。

達成基準チェックリストの例については、『ウェブアクセシビリティ基盤委員会』のWebサイトに公開されていますので参考にしてみましょう。

『JIS X 8341-3:2016』に対応するためには?

次に、『JIS X 8341-3:2016』に対応するためのフローを見てみましょう。

1.「Webアクセシビリティ方針」を作成する

まずは「Webアクセシビリティ方針」を文書にします。文書にする際は、「対象範囲」と「目標とするレベルと対応度」の2項目は含めるようにしましょう。文書が作成できれば、Webサイトやアプリケーション内で公開します。

2.対象範囲での対応を進める

Webサイトのリニューアルや新規構築する場合には、企画・設計段階から『JIS X 8341-3:2016』の対応を前提として進めることで、コストの追加を最小限に抑えられます。

一方、既存のWebページを改修する場合は、必要以上にコストがかかってしまうこともありますし、完全な改修ができないこともあるため注意が必要です。

3.試験を実施する

『JIS X 8341-3:2016』の『附属書JB(参考)試験方法』に基づいて試験を実施します。

特定のWebページのみに対応した場合は、「Webページ単位」扱いで試験します。主に企業Webサイトでよく見られるフローです。

対象となる範囲全体で対応した場合は、「Webページ一式単位」扱いで試験をします。対象範囲からランダム選択で25ページ以上、任意選択で15ページ以上を選定して試験します。

4.試験結果を公開する

『JIS X 8341-3:2016』の『附属書JB(参考)試験方法』に基づいて、試験結果を公開します。

これからの時代にマッチしたWebアクセシビリティを

『JIS X 8341-3:2016』に準拠するためには、たくさんの項目をクリアする必要があるため、企画・設計段階から多くの配慮が必要になります。しかし、今後のWebサイト利用者の傾向を考えると、これからの時代にマッチしたWebサイトを作るためのチャンスとも言えます。

一人でも多くのユーザーが不便さを感じることなく情報収集できるWebサイト。この機会に、『JIS X 8341-3:2016』に基づいたアクセシビリティについて考えてみてはいかがでしょうか。